2019年10月3日木曜日

10月号

 グループ結団式を前に生徒会長の長野さんから、 本年度の体育祭のスローガンが「ウチら勝利まで永遠のランウェイ」に決まったと連絡を受けました。ランウェイは滑走路、花道、助走路の意味だから、「勝利まで、自分たちのチームしか歩けない道を進んで行こう!」、英語に訳すなら Let's try hard to lead our team to victory! くらいですかねと校長室で談笑しながら、私はこの言葉の持つなんとも不思議なリズムに感心していました。後で、このスローガンの出所がKemio著の「ウチら棺桶まで永遠のランウェイ」だと教えられました。著者の名前は聞いたことがなかったのですが、SNSをやっている人には馴染みが深いとのこと。好奇心を持って書評を読んでみると、ジェンダーレスな価値観を持ち、人間はどうせ死ぬのだから、無駄な時間は1秒もない、好きなことをしようというメッセージを今の若者に伝えようとしていることが分かりました。
 体育祭は暑い一日でしたが、青麗、雷神、紅龍のどのチームも大会スローガンに相応しい熱戦の連続で、観る者にさわやかな感動を与えてくれました。競技種目においては、より速く、より強くの気概が伝わってきましたし、応援合戦では各チームとも団結した素晴らしいパーフォーマンスでした。生徒一人一人それぞれが自分の限界まで頑張っている様子が見て取れ、東雲生の「素晴らしさ」や「底力」をまた一つ見つけたような感じがしました。
 クローバーデイの次の週に、中学生のrecitation contest 校内選考会がありました。各クラス代表生徒は、一人一人素晴らしい英語で、暗唱もしっかりできており感動しました。また audience, listener になってくれた生徒の聞く態度もよく、お陰で素晴らしい会となりました。今回の暗唱文は、スウェ-デンの女子生徒が地球温暖化や気候変動の深刻さを政治家に訴え、その抗議活動が世界の若者に広がったという内容です。彼女は少し前にニューヨークで開かれた国連気候行動サミットでも演説し、そのことがマスコミでも大きく取り上げられました。皆さんも一度この問題についてじっくりと考えてみてください。私が最も心配していることの一つがこれらのことに起因するであろう自然災害です。この夏も九州北部豪雨をはじめ全国で災害が起こりました。台風による千葉県の大規模停電や断水は記憶に新しいところです。近年の異常気象は日常茶飯になり、地震の発生や巨大津波なども心配です。皆さんは普段から防災を意識していますか?起こったらどう対応すべきかとか?自分の家の近くの避難場所を確認していますか?日本人は、まさか自分の周りでは起こらないだろうと勝手に思う傾向があるようです。その油断、過信が有事の際、人をパニックにさせます。どうしてこの少女は抗議をしたのかを考えながら、普段から危機意識、防災意識を高めていってください。
Be prepared for anything. Alert today, alive tomorrow.