2020年11月5日木曜日

11月号

 皆さんの夢は何ですか。将来、何になりたいですか。宇宙飛行士、スポーツ選手、科学者、政治家、教師、看護師…… 。今年はノーベル化学賞に2人の女性が、そして文学賞にも女性が選ばれました。いろいろな分野で女性の活躍には目覚ましいものがありますね。皆さんは、自分の将来の進路について考えていますか。近年、少子高齢化による労働人口の減少、産業・経済の構造的変化や雇用の多様化・流動化、AI(Artificial Intelligence 人工知能)を中心としたこの大きな技術革新、そしてコロナによる影響など、皆さんの進路をめぐる環境は大きく変化しています。その中で、進路決定のためには、まず自己を見つめることから始め、自分の興味・関心があるもの、得意なものを探し、それらを生かせる将来を考えることが大切です。そこで、是非「本当に好きなこと」「本当にやりたいこと」を見つけて欲しいものです。この「好きなこと」に自分の適性や能力を当てはめることで、これならやれると無意識のうちに「やりたいこと」が生まれるのです。しかし、このことは、簡単なことではないのかもしれません。『13歳のハローワーク』の著者村上龍氏は、「やりたいことは、出会うものだ。」と言っています。東雲での学びを通して、自分の「やりたいこと」に是非出会って欲しいものです。そのために、毎日の授業を大切にし、それぞれの教科の学習はもとより、先生方の生き方や人生観からいろいろなことを学びとってください。そして、部活動、学校行事、サタデイスクールやボランテイア活動などのさまざまな活動に積極的に参加する中で、人との距離の取り方やつきあい方など、人間関係を構築する能力を身に付けると同時に、自分という人間を理解してください。また、いろいろなことに挑戦することで、自分の「やりたいこと」との出会いを果たし、将来設計につなげてもらいたいものです。
 さて、先月初めに開催された校内弁論大会ですが、例年にも増してすばらしいものになりました。各クラスの予選を勝ち抜いた中学、高校の各クラスの代表18名が壇上で自分の思いを述べました。大勢の前で意見を述べることはなかなか勇気のいることですが、それぞれが堂々と自分の思いを伝えていました。私が感動したのは、それぞれが借り物ではなく、自分自身のオリジナルであり、またそのメッセージが聴衆に伝わるように、声の大きさを整え、滑舌も良く、話すスピードや間なども工夫していたということです。皆さんも日頃から、身の回りに起こることで、疑問に思うことや、矛盾を感じるものに対して、どうしてそうなのかを考え、その答えを探し、そして自分なりにまとめてどこかで発表してください。そして、具体的な行動に移せるものは、是非ともそれを実践してもらいたいものです。「何を学んだか、ではなくどう行動できるようになったか」が重要であることを忘れないでください。
Go for it ! Shinonome!