2021年10月6日水曜日

10月号

  「秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる」(古今和歌集)という歌を、この時期になるといつも思い出します。 秋が来たと、はっきりと目にはみえないけれど、風の音で(秋の到来に)はっと気づく。なかなかいい歌だと思いませんか?長くて暑い季節が過ぎ去り、ようやく涼しくなってきました。コロナの感染者も全国的に減少し、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が出ていた地域も先月末で全面解除となりました。本県も感染対策を一段階緩めて感染警戒期となりましたが、まだまだ油断はできません。感染対策として、「会食はルールを守る」ことが求められていますが皆さんはできていますか?黙食という言葉もあります。昼食は友人とおしゃべりをしながら取りたい気持ちはよくわかりますが、コロナウイルスは飛沫によって感染するわけですから、ここは慎重にならなければなりません。食事が終わって、マスクをつけてから会話を楽しんでください。

  先日、中学生のマドンナ レシテーション コンテストの校内選考会がチャペルでありました。各クラスの代表生徒は、一人ひとり、暗唱もしっかりできており、練習成果が表れたすばらしい英語に感動しました。また、audience、listener になってくれた皆さんの聞く態度も立派で、お陰で充実した会となりました。今回の暗唱文はジェンダーに関する興味深い内容でした。ジェンダーの話と言えば、先月の中旬に、本校の松下先生の中高時代の友人で、フランスの大学院で研究されている本校OGの上野優希さんからの提案で、本校生対象のオンラインによるワークショップが開催されました。「女子ってなんだろう」というテーマのもと、「制服・校則について話してみよう」「LGBTQ+ 女子とは」「強い女性は恥ずかしい?」の3回に分けて、レクチャーと話し合いが計画されました。画面の向こうに、フランスの大学生もいてジェンダーについて活発な意見交換がなされました。世界的に見て、ジェンダーの不平等があり、女性の活躍が遅れている今の日本。女子校はジェンダーから最も解放されているし、女子校で中高時代を過ごすことでジェンダーバイアス(社会的・文化的性差別あるいは性的偏見)から離れた環境に身をおくことができる。そんな皆さんが、ジェンダーについてこのような勉強会に参加することは大変意義深いと感じました。私も短い時間ではありましたが参加して、これから日本も少しずつ確実に変わって来ると実感しました。

 今月末には皆さんが楽しみにしているクローバーデイがありますね。まだまだコロナ感染の状況がどうなるかわかりませんが、皆さんの英知を結集し、思い出に残る安全で楽しい文化祭にしましょう。

 You will have mid-term exams soon. Please prepare well for them.