2019年9月5日木曜日

9月号

 長くて異常に暑い夏もようやく陰りが見え始めました。立秋の頃に読まれた歌で、今と少し季節はずれますが、「秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる」という古今和歌集が思い出されます。皆さん、夏休みモードから学校モードになりましたか? 
 毎年夏は高校生にとって、熱い戦いが繰り広げられるシーズンです。甲子園で開催される高校野球大会を始め、体育部はもちろんのこと、文化部の各種大会が一斉にはじまります。どの分野においても日頃のハードな練習で、技を極め、戦いに挑むのです。毎日の単調な練習、思うように技能が向上しないことによる無力感や挫折感。レギュラー争いなどの人間関係による苦悩。それらを克服するに忍耐力が求められます。しかしながら、こういう体験を通して心身共に鍛えられ、逞しい若者に育つのです。そこにこそ部活動をやる意義があると思います。そしてそれは常に勝敗を超えるものと私は信じます。今年も猛暑の中、本校生もそれぞれが東雲の勢いを示してくれました。中学バレー部は県で優勝、四国大会で準優勝し全国大会へ、高校バレー部はインターハイで決勝リーグ出場、国体にも参加することになりました。アーチェリー部は団体で全国5位、中学ゴルフ部の城戸姫菜さんが全国に出場、プロゴルファーへの登竜門である日本ジュニア選手権にも出場しました。演劇部は中予地区大会を勝ち抜き県大会へ、そしてブラスバンド部は県大会で3年連続の金賞を受賞し、悲願の四国大会へ出場、銀賞を勝ち得ました。私立学校では初めての快挙だそうです。皆さんの大健闘を讃えます。
 さて、国語科主催の校内「弁論大会」に初めて参加しました。各クラスの予選を勝ち抜いた中学、高校併せて18名が壇上で自分の思いを述べました。大勢の前で、意見を述べることはなかなか勇気のいることですが、それぞれが堂々と自分のメッセージを伝えていました。私が最も感動したのは、それぞれが借り物ではなく、自分自身のオリジナルの作であり、またそのメッセージが聴衆に伝わるように、それぞれが声の大きさを整え、滑舌も良く、話すスピードや間なども工夫した素晴らしいものだったということです。
 人は「読む」、「書く」、「聴く」、「考える」、「伝える」などの活動を通して、思考力や表現力を養い、コミュニケーション能力を向上させることができます。日頃から皆さんの身の回りに起こることの中で、疑問に思うことや、矛盾を感じるものを、どうしてそうなのかを考え、その答えを探し、そして自分なりにまとめて発表して欲しいと思います。このことは今皆さんに最もやってもらいたい活動です。
Autumn is the best season for everything. Let's get started!