三寒四温に包まれて、どこからともなく別れの序奏を聞くような思いで過ごす時期となりました。例年と違うのは、マスコミで毎日のように報道されています、コロナウイルス「COVID-19」感染への心配です。この新型肺炎はパンデミックの様相を呈しており、またそれに関しての不確かな情報の拡散インフォデミックも起こっております。今やいつどこででも起こりうる事態となり、身の回りに起こらないかと大変憂慮しているところです。一日も早い終息を願うばかりです。私たちも確かな情報をもとに、人混みを避けるとか手洗いやマスクの着用等あらゆる対策を取りましょう。
さて、皆さんは、今自宅において出された課題を一生懸命やっている頃かなと思います。3月1日にはコロナウイルスの影響で中止を余儀なくされた学校もあるようですが、本校は縮小はしましたが無事、卒業式を行うことができました。式辞で私が話したのは、以下の通りです。卒業生を待ち受けている社会は、残念ながら大変厳しい状況にある。今直面している難題は、大きく言うと三つある。それは、核戦争を含む世界的な戦争、地球温暖化などの環境破壊、そしてAIなどの技術革新。これらのことが、社会に閉塞感をもたらし、日本の未来図を描くことをきわめて困難にしている。しかし、こういう状況の中にいるからこそ、生涯学び続けることで困難な状況を克服し、自ら立ち上がって欲しい。また、女性であるということだけで、頑張っても報われない男性優位の誤ったジェンダー意識と遭遇することがあるかもしれない。しかしその時こそ、「高遠なる理想」「敬虔なる信仰」「真摯なる努力」「清純なる愛情」「私心なき奉仕」の校訓の下、女子校で培った心のしなやかさや共感力を土台にして、勇気を持って立ち向かって欲しい。そして、そのことが必ずや日本を変える原動力にもなるということ。式辞の終わりに、ジョンレノンのimagneの歌詞の一節を朗読しました。それは、グローバル化の進展する時代を生きるものにとって、そのコミュニケーションツールとして英語の力を伸ばすことももちろん大切だが、それと同時に重要なのはimagine、想像してみるということ。自分の目の前に見えないものや実際には経験できないことを想像する力を持つこと。見知らぬ誰かの喜びや感動、悲しみや苦しみを想像して共感し、行動を起こして欲しい。本を読んだり、芸術を味わったりすることでイマジネーションを豊かにすることができれば、皆さんの世界は物理的にも心理的にも大きく広がるはずである。以上でしたが、皆さんはこのメッセージをどう受け取りましたか?また、ご意見をお聞かせください。
Imagine all the people
Living for today...
今年度の「校長室だより」は終わりです。1年間お読みいただきありがとうございました。